#12 かゆい所に手が届く!ブラボーなVlabo!!

データ分析支援アプリVlaboとは

 今回はデータ分析のオトモ、特に「データバレー2007」だけでスカウティング・アナライジングをする勢(日本で私だけかもしれませんが)にとっては必須といっても過言ではないアプリ、Vlabo(ブラボー)を紹介します。

β版のアプリケーションロゴ

 Vlaboは第1期・眞鍋政義監督時代(2008~2016年)の日本代表チームにおいて開発された(開発元は別会社)データ分析支援アプリです。その大きな特徴はiPhoneやiPadなどタッチパネルによる直感的な操作で映像を視聴することができる点と、データバレーなどで入力されたスカウトファイルからデータを読み込み、同期された情報をもとにすべてのプレーを簡単かつ瞬時に参照できる点です。

初期版Vlaboの試合選択画面「福岡県クラブ選手権の福岡ギラソール対福岡KANOA:2-0」を選択してみた

 アプリ起動後はアプリ内の試合一覧が表示され、一つの試合を選択したり、複数の試合を同時に選択することができます。試合映像やスカウトファイルの追加については主にアナリストなどパソコンやデータ管理を行える人間が行いますが、アプリ内にデータがあるものに関しては誰でも簡単に操作することができます。

試合を開始した直後の画面、左上からローテーション分析、コード検索、テーブル検索。左下からスロー再生、巻き戻し、3秒戻し、一時停止、3秒送り、早送り、その他メニュー表示、ズーム、繰り返し再生のアイコンが並ぶ

 試合を選択した後は画面に表示されたアイコンやフリック操作などで試合を進めたり、条件に合わせたプレーだけを抽出して映像を確認することができます。今回は左上から3番目の緑のアイコンで表示されている「テーブル検索」を使ってみましょう。

テーブル検索、福岡ギラソール4番「石川真奈」のアタック

 テーブル検索画面では、選手の背番号と名前が縦に、サーブやレセプション(サーブレシーブ)、アタックなどのスキルが横に並んでおり、ここでは福岡ギラソールの4番「石川真奈」選手のアタックから、得点(”#”の記号)シーンだけを参照します。

ノーブロックでスパイクを決める福岡ギラソール4番「石川真奈」

 すると、右上に表示された「SCENE・何分の何」というように参照されたプレーが順番に再生されるようになります。Vlaboについては2020年頃、私がいたアメリカではまだあまり認知されていませんでした。データバレー等のデータ分析ソフトだけの運用だと、どうしてもアナリストやコーチから提供される映像を受動的に視聴することが多くなりがちですが、Vlaboを使うことで選手が自ら考えて映像を検索し、分析することができるので重宝しました。

有料版のVlabo2は月額980円、年額9,800円

 現在VlaboはiPad専用アプリとして最初の1か月間の無料期間以降は有料アプリとして販売されています。チーム単位で購入することでチーム内の複数人で利用する場合に費用を抑えるプランも紹介されているのでご興味のある方は公式サイトの方をご覧いただければと思います。私としてはこれからアナリストを始めようと考えている方はデータバレー4のライトバージョンとこちらのアプリを(チーム単位で)組み合わせて使うことで、選手が映像分析に触れる機会を十分に確保しつつ、アナリストの仕事をするうえで必要十分な機能を備えることができると考えています。

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